ある日所長宛てに大量の胡蝶蘭が贈られてきた。沢山の高級な花達。この花達を目の前に茫然とする私たち職員。さてどうしたもんだか・・

1.うちの所長はこんな人
私の職場の所長。いつも所長を訪ねて来るお客さんは地位のある人ばかり。所長は自分の知り合い、地位のある人には所内のルールも破り、特別対応するような人で、その下で働く私も含め職員は所長が大嫌いだ。

2.マジで！？所長が・・
　そんなある日、所長が退職する噂がたった。その日から毎日のように所長宛てに胡蝶蘭が贈られてくるようになった。貰った所長はいつもより１トーン高い声でお礼の電話をしている。
「ありがとうございますぅ。素敵なお花を。大事にしますわぁ」
（あんた６５過ぎたくせに何やその声・・キモチワルイ）
　事務所にはたくさんの胡蝶蘭があふれた。が、贈られた本人（所長）は全く世話をする気がない。胡蝶蘭って高価な花なのに、何もせんのかい！ほったらかし。
「所長、この胡蝶蘭達なんですけど、どうされますか！？世話しないと枯れますけど」
嫌味混じりで伝えてみた。
「ほんとねぇ。任せるわ」
終了・・・（怒）
　事務所に弱い花を飾っておくわけにもいかず、胡蝶蘭に罪はないので、私たちが世話をするしかない状況になった。仕事が増えた。ただでさえ忙しいこの時期に花の世話まで(怒)その上、手入れの仕方が全く分からない（涙）仕方ないのでネットで世話のやり方を調べ手探りで水をやったり、枯れ葉を切ったりしていた。そのうち花が終わったが、所長は胡蝶蘭の存在すら忘れているようで、知らん顔。後始末まで私たちがした。
　胡蝶蘭に罪は全くないが、この胡蝶蘭のおかげで所長がますます嫌いなった。花は生き物で、生きているものを管理もできない人間がこの職場の所長＝職場をまとめる。という存在なのが理解出来なくなった。

3.騙された私たち
所長に対する不満は爆発寸前。でもあと数カ月で所長が辞めるのだから・・と自分に言い聞かせて我慢して仕事をこなしてきた。しかし数カ月たっても所長は退職する気配がない！！結局、所長の退職の噂は自分が流した嘘だった。胡蝶蘭を贈ってくれた方々も含めすっかり騙された。

大嫌いな所長。ますます嫌いになった。でも胡蝶蘭のお世話の仕方はできるようになった(笑)そこは自分にとってプラスになったかな・・